レビー小体型認知症 幻視と初期症状:夫の変化に戸惑う私、家族の接し方
大切な家族が、なんだか最近いつもと違うと感じていませんか。見えないものが見えると言い出したり、今までと異なる言動に戸惑い、もしかしたら認知症かもと一人で抱え込んでいる方もいらっしゃるかもしれませんね。
この記事では、私が夫のレビー小体型認知症と向き合う中で経験した幻視や初期症状、そして家族としてどう接してきたか、そのリアルな道のりをお話しします。
専門的な話ではなく、同じように悩むあなたに「うちもそうだったよ」と寄り添えるような、私の等身大の体験談を綴っていきます。あなたの不安な気持ちが、少しでも軽くなるヒントになれば嬉しいです。
※この記事は個人の体験に基づくものです。症状や状況には個人差がありますので、専門的な判断が必要な場合は必ず専門家にご相談ください。
「これって幻視?」夫が経験したリアルな出来事と私の戸惑い【体験談】
レビー小体型認知症の幻視は、本人には現実に見えているため、家族は対応に戸惑うことが多いものです。
初めて夫が幻視を訴えたとき、私は本当に驚きました。ある夜、突然夫が目を覚まして「天井に知らないネコがいる」と言い出したんです。いくら見上げても私には何も見えません。まさか、そんなことを言うなんてと、最初はただ「寝ぼけてるだけだよ」と繰り返していました。
でも、夫は真剣な顔で「いや、本当にいるんだって」と譲りません。何度も「気のせいだよ」と否定してしまううち、夫は苛立った様子で黙り込んでしまいました。今思えば、私の一言が夫をさらに孤独にさせてしまったのかもしれません。
別の日は、玄関に向かって「泥棒がいる!」と大声を出しました。真夜中でしたし、本当に怖くて私も飛び起きて確認しましたが、そこにはもちろん誰もいません。夫は怯えた顔で、見えない誰かを指さしていました。あの時の彼の絶望的な表情は、今でも忘れられません。
私は病院の疲れや、日中のストレスが原因だと思い込んでいました。まさかそれが認知症の一つの症状「幻視」だとは、夢にも思っていなかったんです。インターネットで情報を探すうち、「レビー小体型認知症」という言葉に出会い、幻視が特徴の一つだと知った時、ようやく夫の言動が少しだけ理解できた気がしました。
幻視は本人にとって現実であり、頭ごなしに否定するのは逆効果だと痛感しました。
「見えない」と繰り返すより、まずは本人の訴えを一旦受け止める姿勢が何よりも大切だと学びました。
「まさか初期症状?」診断前に私が気づいた夫の小さな異変【正直な記録】
レビー小体型認知症の初期症状は、一般的な認知症のイメージとは少し異なり、気づきにくいこともあります。夫が診断されるまでには、幻視以外にもいくつかの小さな異変が数年前から見られていました。
今思えば、「あれもそうだったのか」と思い当たることがたくさんあります。
- 数年前から、夫の寝言がとても多くなりました。うーん、うーんと唸ったり、時には誰かと会話しているような、かなりはっきりした寝言を言うこともありました。当時は「疲れてるのかな」くらいにしか思っていませんでした。
- たまに、夫の手足が震えるような、ぎこちない動きを見せることがありました。立ち上がるときに少しバランスを崩したり、歩き方がゆっくりになったり。これも歳のせいだろうと、深く考えてはいませんでした。
- 便秘がひどくなり、以前よりも体調を崩しやすくなりました。便秘薬を飲んだり、食事に気を使ったりしていましたが、なかなか改善せず、本人も辛そうでした。
- 物忘れも少しはありましたが、いわゆる「加齢によるもの」の範囲だと考えていました。「あれ、どこに置いたっけ」とか、「あの芸能人の名前なんだっけ」といった日常的なレベルだったので、特に気にしていませんでした。
これらの症状が少しずつ重なり、私の漠然とした不安も募っていきました。それでも、「認知症」という言葉を夫にぶつけることへのためらいや、本当にそうだったらどうしようという恐れから、なかなか病院へ連れて行けなかった葛藤もありました。
診断されたらどうする?わが家で心がけている幻視との向き合い方

診断後、私たちは幻視との付き合い方を模索し、いくつかの工夫を実践してきました。大切だと感じているのは、否定せずに共感し、安心できる環境を整えることです。
本人の不安を和らげ、安心できる環境を作ることが、幻視の頻度や強度を減らすことにつながるからです。夫が「見えない誰か」と話している時でも、私はこう接するように心がけています。
- 「何が見えるの?」「どんな感じ?」と優しく尋ね、夫の話を遮らずに聞くようにしました。
- 見えているものが何なのか、一緒に確認するふりをします。「ああ、あそこに何かいるように見えるんだね」と、夫の視点に寄り添うように話しかけます。
- 安心できる言葉をかけるようにしています。「大丈夫、私がそばにいるからね」「ここは安全な場所だよ」と、夫の不安な気持ちを受け止めます。
- 幻視が気になって落ち着かない時は、散歩に誘ったり、好きな音楽をかけたりして気分転換を促します。
また、生活環境にも少し工夫を凝らしました。
- 部屋を明るく保つようにしています。暗がりや影は、幻視を誘発しやすいと言われているからです。
- 鏡やガラスが多い場所は、夫の部屋からなるべく減らしました。自分の姿が別人に見えて混乱することがあると聞いたからです。
- リビングなどの共有スペースは、できるだけシンプルな内装を心がけています。ごちゃごちゃした空間は、夫の混乱を招きやすいと感じたからです。
夫が安心して過ごせるように、という私の強い願いが、これらの工夫の原動力になっています。幻視が起こっても落ち着いて対応できるよう、家族で知識を共有し、協力し合うことが重要だと感じています。
勘違いしていませんか?レビー小体型認知症の「誤解されやすい」常識
レビー小体型認知症は、まだ一般的に知られているアルツハイマー型認知症とは異なる特徴を持っています。「認知症=物忘れ」という固定観念が、初期の気づきを遅らせる原因になりがちだと、私自身の経験を通して痛感しました。
私も当初は、物忘れが中心だと思い込んでいたため、夫の幻視や身体症状に戸惑いました。診断を受けてから初めて、レビー小体型認知症の具体的な特徴を知り、私の中にあった「認知症」の常識が覆されたんです。
| 誤解されやすい「常識」 | レビー小体型認知症の現実(私の体験から) |
|---|---|
| 「物忘れがひどくないなら認知症じゃない」 | 夫は物忘れが先行せず、幻視やレム睡眠行動障害、パーキンソン症状が先に現れました。私も最初、認知症だとは思いませんでした。 |
| 「妄想と幻視は同じもの」 | 幻視は、本人には「見えている」という具体的な体験です。妄想とは異なり、本人にとっての現実感が非常に強いです。 |
| 「薬ですべての症状が治る」 | 薬は幻視や身体症状を緩和する目的で使われますが、完治ではありません。生活の質を上げるためのものです。 |
これらの違いを知った時の衝撃は大きく、「もっと早く正しい知識を持っていれば、夫をもっと理解してあげられたのに」という後悔の気持ちも正直ありました。
正しい知識を持つことが、早期の診断と、本人にとってより適切なケアにつながると強く感じています。
一人で抱え込まないで。私たちが歩んだ道と、これからのあなたへ
レビー小体型認知症との付き合いは長く、家族だけで乗り越えるのは本当に大変です。私も診断後、一時は将来への不安で押しつぶされそうになりました。
「この先どうなるんだろう」「夫を支えきれるだろうか」と、夜中に一人で泣いたことも一度や二度ではありません。「私がしっかりしなきゃ」と無理をして、心身ともに限界を感じた時もありました。
そんな時、私は地域の相談窓口に連絡し、同じ病気の家族会にも参加してみました。初めて「味方がいる」と感じられた時の温かい気持ちは、今でも鮮明に覚えています。誰かに話を聞いてもらうだけで、心が軽くなることを実感しました。
夫がレビー小体型認知症と診断されてからの日々は、決して平坦な道のりではありません。でも、私は「夫に良いケアをしてあげたい」「笑顔で一緒に過ごしたい」という本音を大切にしながら、この病気と共に生きる道のりを、少しずつ前に進んでいます。
孤独を感じた時こそ、誰かに頼る勇気を持ってください。今日からあなたがほんの少しでも楽になるために、まずは信頼できる人に話してみる、地域の相談窓口に連絡してみる、という小さな一歩を踏み出してほしいと願っています。あなたは一人ではありません、応援しています。



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